2020-06-06

  • 「折りたたみ北京」を読んだ。
    色々な中国作家の短編集が入っているSFアンソロジーで、表題作の「折りたたみ北京」や、「三体」が有名な劉慈欣の作品も非常に面白かったが、一番読んでて楽しかったのは夏笳の作品だった。とにかく情景描写がこまやかで、そこから突然SFっぽいパートに話が移った時の突然全く別のところに持っていかれる感じがすごいよかった。
    あと「龍馬飛行」について、一通り読んだ後注釈で紹介されていたYoutube動画(これこれ)を読んだ後もう一回読み直したらめちゃくちゃ最高な気持ちになった。要するに動画に出てくる馬と龍が混ざったみたいな霊獣の機械が人類滅亡後の中国を彷徨う……という話なのだが、でっかい霊獣の機械と人類滅亡後の世界の取り合わせなんてどう話が転んだって素晴らしいに決まっている。私は人類が滅亡しているというシチュエーションが本当に大好きなので、人類が滅亡しているだけでもう楽しくなっちゃうのだが、そこにでっかい霊獣の機械となればもう最高アンド最高なのだ。
    ちなみに「龍馬」の出自について、ある程度は作中でも語られてるんだけど、調べたところによるとフランスのパフォーマンス団体「ラ・マシン」の作品のうちの一つらしい。「龍馬」の回想に出てくる「機械の蜘蛛」というのも同じところの作品だ。「機械の蜘蛛」については11年前に横浜の開港150周年イベントが行われた時に日本にも展示されている(参照)。実はこれ、当時実際に見に行ってたので、「龍馬」の映像を見た時に同じところが制作しているんじゃないかな~と思ってたらやっぱりそうだった。
    それにしても日本語で「龍馬」って検索すると、当たり前だけど別のものばっかりひっかかるな。中国語だと「馬龍」って書くらしいんだけど、そっちもそっちで同名の方がいるらしくて全然機械仕掛けの霊獣の方は出てこなかった。

  • ZABADAKライブ配信アーカイブが今日までだったので見た。
    ZABADAK、昔から好きでいつかライブ行きたいな~とぼんやり思ってたけど、「熟練のファンがいっぱいいるので複雑な拍子の曲に完璧に合わせて手拍子できる」「楽器を持って伴奏に参加する観客すらいる」みたいな情報を見てしまい、怖気ついてうだうだ先延ばししている内に吉良さんの訃報を知った経緯がある。それまでほとんど行ったことがなかったライブハウスにちょくちょく行くようになったのもこの一件があってからだった。行けば見られるはずだったものがある日を境にして永遠に見られないことを知ってしまうともう怖くて仕方がなかったし、今年の春頃からは自分の判断は正しかったんだなーと痛感する場面が(皮肉にも)めちゃくちゃ増えた。いや全然行き足りてないけど……。
    小峰さんが一人でやるようになってからのライブ映像は一回も見たことがなかったけどすごいよかった。4月にやる予定だったワンマンが振替で9月にやるらしいので、もしまだチケットが売ってたらそれにも行ってみたい。平日だから仕事の都合で行けるかどうか分かんないけど……。