スマホ死

2023年6月22日、4年使ったスマホが死んだ。

突然の死であった。朝起きたら電源が切れていたので、充電器に繋いでみたが、充電ランプが一向につかない。何をしても駄目。過放電の可能性も考えたが、これを書いている現在朝からずっと充電器に繋ぎっぱなしなのにまだ充電ランプが点いていないということは、そういうことなのだろう。

いや、以前からその傾向はあった。ただでさえレビューで貧弱と評されていた充電の持ちの弱さは昨今激しくなる一方だったし、充電の時に異様にスマホが熱くなることもしょっちゅうだったし、88%しか充電できていないのに「充電完了」と表示されていたこともあった。自身の終わりの予兆を、スマホは懸命に訴えていた。私がそれを無視していただけで。だってその訴えを受け入れるということは、スマホの買い替えを検討しなくてはいけないということで、そんな煩雑極まりない上に金までかかることを私は絶対にやりたくなかったから。

スマホが死んだということは新しいスマホを調達しなくてはいけないということである。しかし私は現在無職だ。出費は極力避けたい。そして前のスマホは名をAQUOS R2 compactといい、5.2インチ*1の小柄なボディにいかちいスナドラ845と2500mAhぽっちのバッテリーを詰め込んだ、かなりピーキーな仕様のやつだった。ユーザーこそ少なかったが、私はこいつをこよなく愛していた。だから極力、これに近いやつを買いたい。しかしAQUOS R2 compactの発売から4年経った現在ですら、ミドルクラスのスマホにスナドラ845(に相当するCPU)を入れた機種は、ないのだ。絶望。一番近い最新機種はZenfone9だが、こいつはいわゆるハイエンドクラスのスマホになるので、最もメモリとストレージが少ない機種ですら10万弱かかる。フューチャーオーノー。

本当はこんな駄文を書いている場合ではなく、腹をくくってZenfone9に投資をするか、妥協してミドルクラスのスマホをみつくろうかどっちかを選ばなくてはいけない。んなこたあ分かってる。でもまだ、AQUOS R2 compactの死を受け入れられない。これまでスマホを買い替える時は、大体「そろそろ買い替えようかな」と自発的に乗り換えていた。死別はこれが初めてだ。メギドのアスラフィルのガチャで○万円無駄にしたのも、ちいかわのアカウントが設立された瞬間を見たのも、一番体調が悪い時のブログの記事を書いたのもこのスマホだった。この前刊行した同人誌だって、ほぼ全ての文章の初稿はこいつで書き上げたのだ。寿命が近いのは察していたが、あと一年くらいは一緒にいられると思っていた。

オチ思いつかないから適当に曲でも貼ってお茶を濁します。

open.spotify.com

 

*1:ところでいつも思うんだけどなんで日本って普段はcm表記なのにスマホの時だけインチ表記になるの?

同人誌が出ます(詳報)

お久しぶりです。大体約2ヶ月ぶりですね。


!!!!6/4(日)のあこがれがとまらない15層にて同人誌を出します!!!!


以下が同人誌のサンプルです。サンプルのページにも貼ってありますが、部数アンケート実施中です。購入予定の方はご回答よろしくお願いいたします。


www.pixiv.net




以下は新刊の細かな説明となります。

・B6/160P/小説本(挿絵なし)/1000円(イベント価格)です。イベント終了後、BOOTHにて通販を予定しています。通販時の価格は手数料等の都合上、イベント時とは異なる予定です。ご了承ください。

・内容はこれまでwebに発表したSS5本+新作2本+αとなります。プラスアルファの詳細は同人誌本体にてご確認下さい。物語ではないですがある意味本同人誌の裏メインとも言えるパートとなっております。

・本作は短編連作形式となります。全ての話が同一の時系列で起こっています。そのため本作のベラフの性別は女性となります。地雷な方はご注意ください。

・新作2本につきましては主に既存作の繋がりを強化するような内容となっています。そのため新作のうち、「夢のつづき」はwebでの公開はなしとさせていただきます。単話としての再構成が難しかったからです。ご了承ください。
「Unbalance」の方は単話として再構成した上で、どこかのタイミングでwebでも公開する予定です。ただ細かいディティールは大分変わってくると思います。

・既存作も短編連作形式にするにあたり、色々と加筆をしています。千字以上加筆した作品もあります。その他、web版の時から色々と手直ししております。

・ベラフ中心の本ではありますが、裏主役くらいのポジションにワズキャンがいます。サクカの製作を依頼する時「ベラフ中心本」とするか「ベラフ・ワズキャン中心本」とするか悩んだくらいには結構出てきます。

・全年齢程度の暴力表現やグロテスク表現があります。どんな感じかはwebに上げている作品を確認してもらえれば幸いです。

・装丁とデザインは全て結花ちゃんがやってくれました。そのお陰でガワの部分に関しては商業本にも劣らないクオリティーが出せていると思います。ちなみに本文にてメインで使ってるフォントはイワタ明朝オールドです。「地図と拳」でも使ってるやつです(だから何?)。


以上です。
正味初めての同人誌制作&サークル出展なので色々と手探り状態な上、体調も本調子ではないので最悪イベント当日欠席の可能性もありますが、少なくとも本が出るのは確実なところまでもっていけました。手助けしてくださった方々、本当にありがとうございます。
なお、同じくあこがれがとまらない15層にて頒布される三賢アンソロジー『TRINITY』にもSSを寄稿しております。こちらも併せてよろしくお願いいたします。
会場でお会いできるよう、体調がバグらないことを祈っております。それでは~

「ファミレスを享受せよ」攻略チャート

皆さ~ん、ファミレス、享受してますか~???

…………

【近所にある任意のファミレス】に行け!!!!!!!!!

しょーもないオモチャンパロから始まってしまいましたが、「ファミレスを享受せよ」というフリーゲームを最近プレイしました。すごく面白かったです……。

oissisui.itch.io
こちらのゲーム、検索したところ感想記事や考察記事は出ているみたいですが、どうも攻略チャートはまだ誰も書いてないっぽいんですよね。
別に(とある要素以外は)さほど難しいゲームでもないのですが、周回時などにあると便利かと思うので、攻略チャートを作りました。当然ネタバレ要素満載ですので、初プレイで攻略参考のためにご覧になる方は色々お気を付けください。

※202309追記 こちらの記事はweb版にのみ対応しており、steam版、及び今後発売されるswich版には対応していないことをご承知おきください。swich版はプレイ予定なので今後随時加筆する可能性があります。

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同人誌が出ます(初報)+大精算会感想

どうもこんにちは。2023年初投稿ですね。
まあ、タイトルの通りなのですが、お知らせがあります。


!!!!同人誌が出ます!!!!



・内容はこれまでwebで発表してきたものの再録(加筆修正あり)となります。新作も掲載しますが、そちらも後日webに掲載する予定です。あとSSではないですが、おまけ的なものがつく予定です。

・装丁とデザインは結花ちゃんが担当します。結花ちゃんとはめちゃくちゃ付き合いが長いのですが、値段がつくものを共作するのは初になると思うので、ワクワクしています。デザインバリ上手人(うまんちゅ)なので、表紙とかどうなるのか私もとても楽しみです。本同人誌一番のセールスポイント。

・頒布方法はまだ未定です。頒布時期も未定ですが、今年夏頃を目指して二人で頑張っています。


現時点でお知らせ出来るのはこんな感じです。また詳細が決まりましたらお知らせしますね。
というわけで、同人誌作成作業のため、pixivの更新はしばらくお休みさせて頂きます。ご了承ください。
いい本になるよう頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。


以下は本題と特に関係ない大精算会の感想です。



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20221231

今年の年末は毎期ごとにやってるよかったコンテンツまとめを用意できませんでした。理由を今から説明します。
まず、来月の15日にメイドインアビスのイベント「TVアニメ『メイドインアビス 烈日の黄金郷』スペシャルイベント ~探窟家組合 大精算会~」があって、現地参加出来ることになったんですけど、そのイベントで「オリジナル朗読劇」なるものがあるらしいんですよ。そして参加メンバーの中に、三賢キャスト陣全員いらっしゃると。

これもしかしなくても三賢周りの新規シーン来るやつですか……???

このブログでも何度か書いてますが、今年メイドインアビスの2期アニメで気が狂って二次創作をね、なんか急にやり始めたんですけど。
今まで書いた作品は全て、原作とアニメで出てきたベラフやワズキャンやヴエコの描写を参照元として、やっていった訳です。ぶっちゃけ三賢の皆さん、このメイドインアビスという作品の中でそこまで出番が多い訳でもない、特にベラフやワズキャンの心理描写って本当に少ないしこの人達がどういう経歴を歩んできたのかも全然分からん、これはまあ二次創作をやる上でデメリットでもありますがある意味メリットでもあって、今までの作品は割とその辺にかこつけて結構やりたい放題書いてたんですよね。
でもそこにさあ、全く見たことがない三賢の皆さんが来る可能性がさあ、ある訳ですよ。

こわい~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

マジで怖い!!これ下手したら今までの自分の解釈全部ひっくり返っちゃうやつじゃない!?いやでも流石にこのイベントのためだけにわざわざシナリオ書き起こすか?アニメの1シーンを生で朗読してくるだけじゃないか?でも「オリジナル」って書いてある~怖~~~
という煩悶を繰り返した後、私は脳内にざっくりとしたプロットだけあったSSを大精算会前にアップするべく立ち上がりました。だって大精算会で新規三賢シーン見たら(聞いたら)解釈が丸っと変わってこのプロット使えなくなるかもしれないから……。
しかし立ち上がったのはいいけど実際に本文を書き始めたのは28日からという体たらくで、その上29日は鎌倉殿の総集編見てたら1日が終わったし、昨日はゼブラックでハンターハンターのキメラアント編読んでたら1日が終わりました。ネフェルピトーちゃんさん、ハンター読む前からファンアートとかでずっとご尊顔は拝見してて、めっちゃくちゃに好みの顔だったしキメラアント編に出るって事前にフォロワーが教えてくれてたから、キメラアント編超楽しみにしてたんですけど、死んだわ。普通に死んだ。ゴンがゴンさんになるのはインターネットのお陰で知ってたけど、まさかネフェルピトーちゃんさんを殺すためだったとはね。びっくりだぜ。メアビのアニメ2期で、初見の人達が「このベラフって人顔最高~……えっこんなことになるの!?それで死んじゃうの!?」ってなってるのをキャッキャしながら眺めていたツケが、ものの見事に回ってきました。これが私の報いの時ってわけ。
もう二度と三人組幹部のガワが良くて初見で性格悪そうなやつのこと好きにならない。決めた。だって今のところ死亡率が2/2だから。

以上の経緯によりSSの進捗が完全に終焉っているため、コンテンツまとめを用意できませんでした。すみませんでした。
既存作4本はこちらになります。前回の記事でも宣伝してたのにまた宣伝するのかよ。だって皆に読んでほしいから……。

#メイドインアビス #ワズキャン Life Story - ももかんの小説 - pixiv

#メイドインアビス #ベラフ たちがわるい - ももかんの小説 - pixiv

#メイドインアビス #ベラフ フットステップス・イン・ザ・ダーク - ももかんの小説 - pixiv

#メイドインアビス #ナナチ 始まりも終わりも - ももかんの小説 - pixiv

ちなみに年末なので一つ暴露しておくと、「たちがわるい」に出てくるオリジナル遺物『畏れよ、我を』(ルビ:ペイントレード)の元ネタは世界樹の迷宮Ⅱのカースメーカーのスキル名が元ネタとなっております。遺物の効果や遺物発動時のセリフも完全に元ネタのサンプリングですね。この作品を公表してから、年内はずっと誰かがツッコんでくれるかもと思ってずっと待っていたのですが、誰もツッコんでくれなかったのでとうとう自白しました。自分で仕込んだパロディネタを自白するのすごい嫌……。

以上です。
あっまだ言うことあったわ。1/1の14:20からEテレでタローマンヒストリアがあります!!そして1/3の11:11から同じくEテレでタローマンの一挙放送があります!!リアタイできなくてもNHKプラス登録してれば放送後一週間は見ることが出来ます!!!!!
鎌倉殿が2022年のNHKの表名作とすればタローマンは裏迷作といってもいい存在で、その上展示会やイベントごとにどんどん過去の歴史を違法建築し続けているサイコーにイカれた野郎なので、是非タローマンは見てください。基本的に無法しかしてないので見るととにかく元気になれます。ヒストリアと本編合わせても60分しかないし……。

www.nhk.jp
あと何故か主題歌のFullver.が各種サブスクで配信されてるのでそれも聴いてください。名曲だから。なんで名曲なのかっていうと歌詞が全部岡本太郎の言葉の引用で出来てるからだけど……。

linkco.re

それでは皆様、よいお年をお迎えください。
ありがとうございました。

秋山瑞人の話をしよう

※この記事は某discordサーバーの企画用に書いた文章に加筆修正を加えたものです。

 

 

 

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 秋山瑞人の新作が出なくなって、今年で十年が経つ。

 秋山瑞人とは作家で、主に電撃文庫というライトノベルレーベルで本を出しており、いわゆるエタらせているシリーズが三本ある。大分前に「ハヤカワから短編を三本出して短編集にする」というようなことを言っていたが、それも二本しか出さないまま企画が宙ぶらりんになってるので、その企画も含めれば四本エタらせていることになる。
 出版社側の事情とかでなく、シンプルに「書けてない」という理由で、四本シリーズをエタらせている商業作家を、私は他に知らない。はっきり言ってプロとして失格だと思う。
 それでも、私は秋山瑞人の作品が、文章が、大好きだ。愛している。端的に言ってしまえば、私は秋山瑞人の信者である。もし誰かに「秋山瑞人はカスだ」と言われたら、そいつが大統領だろうが顔面が吉沢亮クラスのイケメンだろうが誰だろうが、鼻っ面をぶん殴りにかかると思う。

 私が秋山瑞人に出会ったのは中学生の時だ。今は潰れてなくなってしまった個人経営の本屋で、たまたま「猫の地球儀」の一巻を見つけたのが最初のきっかけだった。「表紙の絵柄が好きだな」と思い、何となくそのままレジに持っていって、家で一巻を読んだ。
 「猫の地球儀」の一巻は起承転結の起と独特な世界観の説明に全振りしているというものすごく攻めた構成をしているので、読み終えた後私は「面白いけど、本筋が全く進まなかったな」という感想を持ち、しばらく放っておいた。完結編となる二巻を買ったのはそれから結構経った後の、たまたま小遣いに余裕があって本屋に立ち寄った日だったような記憶がある。二巻を読み終えた後私は愕然とし、狂ったように「猫の地球儀」の一巻と二巻を読み返した。そして「これだけ面白い本が既にこの世にあるのなら、自ら作品を作る必要などもうない」と、子供の頃から漠然と持っていた作家になる夢を、棄てた。その瞬間のことは今でもはっきりと覚えている。

 この前本棚を整理していたら、「おれはミサイル」という秋山瑞人がハヤカワから出した短編を収録した本が行方不明になっていることに気づき、部屋を捜索しまくった挙句、観念して溜めたAmazonポイントを使って買い直した。「おれはミサイル」は戦闘機と、その戦闘機に装備されたミサイルの物語だ。戦闘機とミサイルだけでどう話を展開するんだよ、面白くなるんか、と思うかもしれない。しかしそこであり得ないほど面白いものを出してくるのが、秋山瑞人秋山瑞人である所以だ。例えばこれは主人公の戦闘機が自身の老朽化した内部システムを参照するシーンの引用である。

IFFを提示して拒絶反射で作られた防壁をくぐると、そこには狂王の命じるがままに増築を繰り返したかのような、神経反射の魔宮があった。まったく意味を成さないループが無限の動力を持つプロペラのように堂々巡りを繰り返し、すでに存在しないアドレスへの参照指示が虚無を指差していた。絶対に成立し得ない条件に縛られた破滅的な内容のルーチンが無数に存在し、それらは次元の狂った鏡の牢獄に開じ込められた怪物の群れに見えた。


 「老朽化したシステムはアホほどバグっていました」で済む一文を、どうしてこんなに表情豊かに描写できるのか。何を食ってたらこんな比喩を思い付くのか。こんなにくどくどと情景描写に尺を割いてるくせに、何故するっと読み進められてしまうのか。本当に意味が分からない。
 秋山瑞人の新作が出なくなって今年で十年が経つ。
 話は変わるが、今年下半期、私はメイドインアビス2期のアニメで気が狂ってしまい、ものすごく久々に二次創作で文章を書くという行為に手を出した。現在の私の社会的ステータスは「無職の病人」なこともあり、大量発生した可処分時間の内大部分を執筆行為に投入するというカスの反則技を使った結果、意外にも九月から今現在までで四本のSSを書き上げることが出来た。作品は以下に収録しているので、もし興味があれば読んでください(突然の宣伝タイム)。

www.pixiv.net



 自分で文章を書いてみて痛感するのは、やはり私は文章を書くという行為においてどうしようもなく秋山瑞人の影響を受けており、しかし秋山瑞人の、あの流麗で絢爛とした美しい文章を書くことは絶対に不可能であるということだ。どれだけ文字を書き連ねたところで、秋山瑞人のように文章を書くことなんか永遠に出来ないんだという事実が、一作ずつプロットを構築し、本文を書き進め、都度加筆修正し、完成させていく度に骨身に染みていく。もし秋山瑞人が新作を出してくれたら、私はまた中学生の時のように完全に打ちのめされて、こんな他人様の作品とキャラクターを借りて作話をするとかいう奇っ怪な衝動をすぐに放り出せると思う。
 全部秋山瑞人が悪い。秋山瑞人が十年も新作を出してくれないからこんなことになってしまったのだ。永遠に秋山瑞人の新作を読んで衝撃を受け続ける人生を送っていたかった。
 何故秋山瑞人は十年も新作を出してくれないんだ。一体秋山瑞人は何をすれば新作を出してくれるんだ。どうして秋山瑞人の新作が出ない世界を生き続けなければいけないんだ。


 秋山瑞人の新作が出なくなって今年で十年が経つ。
 ところで、秋山瑞人がエタらせているシリーズの一つであり、恐らく最もファンの多いであろう作品「E.G.コンバット」の原作者のTwitterによると、「E.G.コンバット」最終巻の企画自体は動いているらしい。しかしそういったことを匂わせたツイートはもう何年も前から発信されているし、何せ「E.G.コンバット」はもう二十三年も続きが出ていないという、秋山瑞人作品の中でも屈指のエタりっぷりなので、私は「E.G.コンバット」の最終巻については「見れたらそりゃ嬉しいけど、期待は出来ねえなあ」というポジションでいるようにしている。十年新作を出していない作家に、期待を寄せ続けていられるほどハートが頑丈に出来てないので。
 一方、二次創作の文章については後何本か書きたい話があるので、しばらくの間は書き続けようと思う。アウトプットしたいという衝動自体もまだあるし、たまに自分の書いた作品にブクマやらいいねやらコメントやらが来ると、部屋の中を飛び回るくらい嬉しくなるのも事実だからだ。
 秋山瑞人には今すぐ新作を出してもらって、私のしょうもない衝動など粉々に打ち砕いて欲しくはある。
 が、少しだけ、ほんの少しだけ、「今脳内にあるプロットの話を全部出し終わるまでは待ってくれ」という気持ちもある。そして秋山瑞人はとにかく新作を出さないので、後者は叶ってしまう可能性の方が高い。
 それが嬉しいのか悲しいのか、今の私にはよく分からない。

202209雑記

◼️通販で頼んだ「ニディガのスタッフほん」が届いたので、先日読んだ。
全体としては面白かったが、ゲーム発売までの軌跡を書いたところで「二度目の発売延期が決まった辺りでプログラマーがヘラって離脱した」と書かれていたところで心がざわついた。しかも最終的にその人の書いたコードは全ボツになったらしい。
何故ざわついたかというと、まさしく私が前の職場を「ヘラって離脱した」人間だからだ。会社を辞めたのは休職期間が満了したからだが、休職に入るまで、正直オープンな場では書くのが躊躇われるレベルであらゆる人間に迷惑をかけまくった。きっと前の会社からすれば私もまた「ヘラって離脱した」、使えない会社員であったことだろう。ニディガのゲーム開発から離脱したプログラマー氏が今心身共に少しでも安らかであることを祈るばかりである。


◼️メイドインアビスの二次創作SSを書いた。9月のかなりの時間をこのSSに投入したし、頑張って書いたのでもしよかったら読んでください。

www.pixiv.net


以下執筆にあたっての所感。

・書くことになったきっかけはアニメ9話EDの「ベラフの子守唄」である。あれを聞いた瞬間「ベラフって女なんだ!!!!!」という根拠のない確信が沸いてきた。一時期「純・アモーレ・愛」*1を無限ループ再生していたせいか、斎賀みつきさんの歌声を聞くと自動発狂する装置が知らない間に脳味噌に埋め込まれていたらしい。インターネット等を見ていても大抵ベラフは青年男性として認識されているっぽかったので、どうしてもそこに一刀を入れたくなってしまった。マイナスに飛び込め!

・本編外で提供されているベラフの情報では、顔の傷について「拷問でできた」というものが一番大きい*2。拷問に至るまでの経緯をどうしようか考えていたが、2022年最強面白コンテンツこと鎌倉殿の13人が空前の族滅ブームだったので、ベラフにも族滅してもらうことにした。ただし族滅するにしても「一族が全滅」だとあまりにも丸パクリすぎるので、部族ごと全滅させた。そんなしょうもない理由で部族を全滅させるな。
鎌倉殿がこのSSに与えた影響はかなり大きく、序盤のくだりも「子供が政治に巻き込まれて酷い目に遭ってるとイヤな気持ちになるなあ~」という鎌倉殿への感想がそのまんまSS本編に流用されている。ベラフとワズキャンの対話シーンにも鎌倉殿の影響がある。これについてはもし次回作を書けたらちゃんと書くかもしれないけど今のところ予定は未定。

秋山瑞人の影響もめっちゃ強い。ベラフの部族の設定も、DRAGONBUSTERの言愚の設定を一部参照してる。実は完成間際でとあるシーンの台詞が秋山瑞人の既存作品の台詞と完全に被っちゃってることに気がついたけど、悩んだ末結局そのまま出した。どの作品と被ってるか分かった人いたらDMとかで連絡ください。

・書いてて一番楽しかったのは、ベラフの部族とか家族周りの設定を考えてる時だった。当初は色々その辺りの設定を本文に書き連ねてたけど、これメイドインアビスの二次創作だし……と思って泣く泣く削った。削ったの、例えばこのSSのベラフは9人兄妹の末っ子だけど同母兄妹は4人(内2人は既に死亡)なので異母姉妹とは微妙に距離感があるとかそういうやつです。いらね~~~

・執筆の最終盤でフォロワーにSSの下読みをしてもらったところ、「もっと空白を空けないと読みづらいと思う」という旨のアドバイスを頂いた。当初はそんなもんかあ~?と思ったけど、他の作品を見ても皆文章間の風通しがめっちゃよかったので、投稿当日になって急遽行開けを大量追加した。この作業が一番苦しかった。可読性も重視しなきゃダメだけど、あんまり行を開けすぎても本来想定していた文の印象、テンポが変わってしまう。寄生巨・きのこを除去する時と一緒で、ギリギリを攻めないといけない。私は愚鈍で醜いホモサピエンスではあるが、この時ばかりはハチワレちゃんマインドを呼び寄せて頑張った。ソク……ソク……(エンターキーを押す音)

・当初はベラフとヴエコの会話シーンで終わる予定だったけど、流石に本編と繋げないと二次創作っぽくならないかな……と思い、執筆途中でラストシーンを追加した。本編じゃなくて8巻の表紙じゃん。アニメしか見てない人には下手したらこのシーンもオリジナルだと思われてないか!?*3
行き当たりばったりで追加した割には序盤のシーンともリンクしたのでラッキ~~~


◼️上記の内容と関連して、SSの下読みをしてもらった時フォロワーに「地の文を読点で途切れさせて改行し、台詞に移る表現方法はあまり一般的ではない」という意見をもらった。
でも自分が読んでる作家はこの手法を使ってる人が多い。手元の蔵書をざっと確認したところ、秋山瑞人万城目学伊藤計劃時雨沢恵一藤原祐壁井ユカコ高橋弥七郎は使っていた。
まあ恐らくはこのフォロワーと自分の読んでる作家層がかなり違うっていうのが結論なんだろうけど、どの辺りから使われる手法でどの辺りから使われない手法なのか、なんか気になってきてしまった。そういうのに詳しい人がもしいたら教えてください。

 

*1:プリパラの劇中曲。名曲なので皆聞きましょう 

純・アモーレ・愛 - song and lyrics by 紫京院ひびき(cv.斎賀みつき) | Spotify

*2:参照:

http://miabyss.com/images/special/001/qa01.pdf

*3:一応OPに一瞬映ってはいるのだが