2022上半期よかったコンテンツ+α

まずは前回の記事に沢山の反応ありがとうございました。
お陰様でその後体調は割と落ち着いてます。ただ前回の記事では書いてなかったのですが、5月以降体調のいい悪いの波が激しく、一度落ち着いたと思っても予断を許さない状況なのが辛いところではあるのですが……。
という訳で体調がいい内にこれを書いときたいと思います。鎌倉殿は現在放送中のため今回は敢えて外しました。あとちいかわはもう自分の中で殿堂入りコンテンツなのでこれも敢えて外してます。本当は書きたいこといっぱいあるけど……!!!!!!!!!


・カムカムエヴリバディ
2021年下半期の方でも書いたけど、作品が完結したので改めて。
安子編、るい編も毎日楽しく見てはいたけど、自分の中でギアがかかってきたのはひなた編からだった。主人公がひなたになってからというものの、執拗に繰り広げられる劇中劇やメタ展開、妙に濃い脇キャラなど途端にいつもの藤本有紀ワールドが全開になり、毎日「今日はどんな仕掛けが来るかな」とニヤニヤしながら見ていた。一緒に見ていた母親は「なんかひなたになってから急に雰囲気変わったな~」とちょっと呆気にとられている時もあったが……。
藤本有紀が脚本をやるオリジナル作品は良くも悪くもある程度「変」な部分があり、この「変」さがかなり人を選ぶ要素(であり、同時に一部の視聴者を猛烈に惹きつける要素)だと思うけど、全体を通してカムカムはこの「変」のコントロールがかなり上手い作品だと感じた。ド王道な朝ドラストーリーの安子編から始まり、るい編ではるいとジョーの恋物語を主軸に置きながら、るいの妄想癖によって展開される劇中劇で少しずつ「脚本:藤本有紀」的な要素に視聴者をなじませて、ラストのひなた編で全開にする。結果として、朝ドラという万人受けしなくてはいけない一大ビッグプロジェクトとしての体裁は保ちつつ、往年の藤本有紀ファンも楽しませる作品になったのではないだろうか。
ちなみに一番好きな回は3月15日に放送された、算太がサンタの恰好をして商店街で踊る回だ。算太は藤本有紀作品でよく見る「男親との関係をこじらせている男」なので、きっと大変なことになるだろうと予想していたが、安子編のラストでこちらの想定を遥かに上回る大変なことをしでかしてくれやがった。そのせいで視聴者からのヘイトも買っていたし、個人的にも許せない部分があるキャラではあったが、どういう結末になるのかずっと気になっていたので、ああいう最期が用意されていたのは嬉しかった。演出もビシっと決まっていて、NHKプラスで何度も何度も見直した。


・NEEDY GIRL OVERDOSE

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主題歌の方は2021年上半期の方で紹介したが、その後無事にゲーム本体もリリースされた。めでたい。
「作者の思想が強い……!!」というのがゲームクリア後に感じた最初の感想だった。とにかく作者のにゃるらさんが好きなモノやコトや感性がゲーム全体にパンパンに詰め込まれている。私は数年前からにゃるらさんのブログやTwitterを拝見しており、彼の趣味嗜好をある程度把握していたのもあって、余計プレイ中にそれを強く感じた。正直、時折あめちゃんや超てんちゃんを貫通して、にゃるらさんそのものが顔を出していると感じたシーンもいくつかあった程だ。
それでもインディーゲームとしてはかなりの売上本数を出しているのは、「配信者を育成する」というキャッチーで今っぽいゲームコンセプトとか、キャラクターやUIのデザインの可愛らしさとか、最初から海外展開を見据えて動いていた部分が大きいのだろう。製作チーム全体がクレバーなんだろうなと感じた。
ゲームそのものとしては、あめちゃんの各パラメーターの調整が難しく、ぶっちゃけ最初の数ルートをクリアした後は攻略wikiに頼りっぱなしであった。マルチエンドでルートの数が結構多いため、何度も周回することになるが、プレイヤーを飽きさせないための工夫を随所に仕掛けてくれてるな~と思った。というか全体的に細部の拘り具合がすごく、延期もやむなしといった感じである。ちなみに好きな細かい部分は、「おくすり」でトリップした時の演出が○麻だとBGMが遅くなって、L○DだとBGMが早くなるところ*1。あと超てんちゃんのツイートについてくるリプライ群や、エゴサした時に表示されるツイートのリアルさは、フィクションのSNS表現としてMIU404と同じくらい精度が高いな……と思った。
ゲーム本体だけではなく、超てんちゃんがゲーム発売後突然Twitterアカウントを作成して呟いたり、たまに本当にYouTubeで配信したりといったゲーム外の動向でも色々楽しませてもらっている。Switch版発売に伴い、ルートもいくつか追加されるらしいので楽しみだ。
(以下本当にどうでもいい所感のため反転)
あめちゃんは色んな行動でどんどんパラメーターの「やみ度」が増えていく(≒精神的に病んでいく)んだけど、「おでかけ」コマンドで病院を選択すると、あめちゃんのやみ度が-10される。これはゲーム内では破格の下がりっぷりである。ゲームの調整バランスのためにたまたまやみ度を大量に下げられるポイントを病院に設定しただけかもしれないが、何となく医療への圧倒的な信頼を感じてしまい、この事実に気づいた時少し戦いてしまった。ちなみに今私が通ってる病院は行っても精々やみ度-1くらいです。


・VIVA LA ROCK(5/1)
今年最初に行ったフェスであり、同時に今のところ今年最後に行ったライブでもある。ライブ行きたいねえ……。
色んなアーティストを見たけど、特に印象に残ってるのは日食なつことスピッツだ。日食なつこさん、アーティスト名はビバラのラインナップを見て初めて知った、水流のロックは昔どこかで聞いたことがある……程度だったけど、サブスクで何曲か聴いた時点で好みの曲が多く、ライブを見るのが楽しみだった。ポップしなないでも好きなので、私は鍵盤とドラムの2人体制の楽曲が好きなのかもしれない。
ライブは運良く前方で見られたけど、演奏、セトリ、MCといった諸要素が全部好きな感じで、ライブ中はぶち上がってしまった。5月にあったワンマンは体調不良のため行けなかったが、もしまたライブを見られる機会があれば是非行きたい。
スピッツの方は……とにかくすごかった。スピッツのライブは何回か見たことあるけど、毎回すごい。まず演奏が死ぬほど上手い。バカなので具体的にどう上手いのか全く言語化出来ないのだけど、スピッツのライブを見るたびに毎回毎回「演奏上手くない!?!?!?」と新鮮に驚いてしまう。本当に演奏が上手いので、音源で聴いた時あまりピンとこなかった曲もめちゃくちゃぶっ刺さるし、元々音源の時点で好きな曲に至ってはあまりの素晴らしさに発狂しそうになる。
あとやはりベテランバンドなので、セトリが全く読めないところも良い。勿論定番曲が来ても嬉しいし、たまにサプライズで昔の曲を演奏してくれるのも大変ありがたい。ビバラの時は「アパート」という大分昔の曲をやってくれたのだけど、これが私の好きな曲だったのでイントロの時点で「やったやったやった~~~!!」と叫びそうになった(発声禁止です)。
そしてベースの田村さんがすごい。アップテンポの曲になると一人だけめちゃくちゃ縦横無尽に動き回る。それなのに他のメンバーは完全に「通常営業」って感じで大人しく演奏を続けてるので、ステージを見ると田村さんとそれ以外のメンバーの温度差で気が狂いそうになる。あと田村さんが動き回ると、スタッフの人がケーブルやらなんやらが引っこ抜けないように後ろの方で必死にサポートしてるのが見えるので、「スタッフの人、頑張れ……!!」とスタッフに気をとられる瞬間が必ず発生する。そして気がつくといつもあっという間にライブの時間が終わってしまうのだ。
フェス全体としても収容人数を上げたり、スタンディングエリアが復活したお陰で去年よりぐんとフェス感が増していてよかった。感染者も出なかったようで何よりだ。来年はビバラも10周年ということでより盛大に開催できることを祈っている。


・犬王(&平家物語

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2022年はやたらと平家が滅亡する作品が多いけど、その内の二つである。なんでセットにしたかというと、平家物語→犬王と見た時に、これはどちらも「語り継ぐ」というテーマで作られた一連の作品だと感じたからだ。
ここからは犬王単独の感想になってしまうが、湯浅監督&野木亜紀子脚本ということで、どっちの色が強く出る作品になるんだろうと思っていたけど、予想以上に野木亜紀子作品としての色が強いな……と思った。コタキ兄弟、罪の声、MIU404に続いて犬王も「語られない人達の物語」だったので、ずっと一貫したテーマでやっていってるというか、野木さんの問題意識がここにあるんだろうな、ということを強く感じた。まあ実は今挙げた以外の作品はまだ未見なので他の作品だとまた別の話をしてるのかもだけど……。
ちょうど一番心身がへたっている時期に見たというのもあり(ぶっちゃけ映画館まで辿り着くのも一苦労だった)、最後に現代で犬王と友有が再会したシーンでダバダバに泣いてしまった。その後家で特典で貰えた小冊子を読んでまたちょっと泣いた。というか出来ればあのやり取りは本編に入れた方が二人の関係性がより分かりやすくなっていたのではないかと少し思ってしまったが……。
ここまで全然ライブシーンの話してなかったけど、ライブシーンもよかった。正直最初は夜は短し~やルーのうたのような荒唐無稽なアニメーションになるのかと思っていたので、今作のライブシーンの感じは予想外ではあったけど楽しかった。「竜中将」が映像も曲も一番好きで、サントラで何回も聴いた。


・「THE BEE」(2021年版)
WOWOWで放送されていたので録画して見た。
見終わってとにかくまず「怖い」というのが率直な感想だった。それはストーリーもだし、演出もだし、どんどんと正気を失っていく井戸の演技も怖かった。何なら4人だけの演者で淡々と繰り返される最後のカーテンコールすら少し怖かった。見たのはごく最近なんだけど、はっきり言ってあまり体調が良くない状態で見るべき作品ではなかったとすら思う。
でも同時にどうしようもなく惹き付けられたし、生で見たお客さんが羨ましいな、とも強く強く思った。見た日は寝るまでずっとこの舞台のことを考え続けさせられた。
セットも小道具も最小限で、想像力をフルに使わないとダメな演出だったので、解釈が難しいシーンも多かった。WOWOWだと本編後に出演者と野田秀樹の座談会が特典映像としてついてくるんだけど、それを見てようやく腑に落ちた場面も多い。
野田さんのインタビューを読んだら9.11に着想を得て作ったということだったけど、普通に今日にも全然響く内容の話なところが哀しかった。


・メダリスト5巻

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メダリストは1巻からずっと面白かったけど、この巻は特にすごかった。
「中部ブロック大会編」と銘打たれて、表紙に主人公の結束いのりさんが大きく描かれているのだから、当然いのりの滑走が話のメインになるだろうと思うのに、なんとこの巻ではいのりは滑走しない。この巻の主役は、冒頭のカラーページで出てくる中部地区のノービスAの選手たちだ。全員この巻で初登場なので、言ってみれば知らねえ女の子である。知らねえ女の子が試合してるところを、脇役のおじさんと女の子が、脇役の老人の解説を聞きながら見る展開がずっと続く。言葉で説明するとすんげえつまんなそうなのに、滅茶苦茶面白いのですごい。
それはそれとしてどうしてもいのりさんの滑走結果が気になったので、5巻読了後コミックDAYSの定額プランに課金してメダリストだけ毎月最新号を追うようになった。私は講談社の犬です。


・鬱ごはん151話

mangacross.jp
作中世界がコロナ禍に突入してからの鬱ごはんは、作品全体に何となく凄みがかかっていて毎回読むと鳩尾に一発入れられたような気持ちになるのだけど(褒めています)、この回はとくにすごかった。たった数ページなのに、詰め込まれている細部のリアリティが鬱野の孤独を縁取っていて、読む度に軽く絶望してしまう。敢えてこの話をピックアップしたけど、他の回も本当にすごいので是非読んでほしい。読み続けてもし気持ちがくじけたら口直しに僕ヤバとか読むといいと思う。(同じWEBコミックサイトで連載されてるので)


・cadode

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サマータイムレンダのエンディングがきっかけで知ったが、他の曲も良くて嵌まってしまった。「廃墟系ポップユニット」というコンセプトでやってるらしく、どことなく寂寥感を感じる曲が多い。その中でも特に「三行半」という曲が好きで、一時期ヘビロテしまくっていた。
インタビューを読んだら「イリヤの空、UFOの夏」の話が出てきたので、元々自分の感性と近いところがあるというか、恐らく似たようなコンテンツ遍歴をたどっているのが好きになった理由の一つかもしれない。5月のワンマンはやはり体調不良のため行けなかったが、12月の東京公演は体調を整えて是非行きたいと思っている。


・オモコロのAI動画シリーズ

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文字通り人知では考えもつかないような展開が次々と襲ってきて死ぬほど面白いのでずるい。あとこれのシリーズ、コンセプトこそ「AIに全部任せちゃおう」だけど実際はAIが出力した台本の編集から撮影までめっちゃ労力かかってそう。


・メイバランス

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今回の記事は書き始める前から最後は必ずこの商品で〆ようと決意していた。元々人に紹介してもらって知った商品だが、一番体調が悪い時、これに本当にお世話になった。
一番の魅力は液体なのに腹持ちが異常にいいことで、これのお陰で「お腹空いてるけどお腹空きすぎて気持ち悪いから食べられない」という現象をかなりの確率で防ぐことができる。手に持ってみると結構小さく感じるが、これでカロリーも200キロカロリーあるし、栄養素も色々入ってるというから心強い。味も色々あるので「同じ味ばっかで飽きる」ということもないだろう。常温保存もできるし、賞味期限もかなり長いので元気な人も病気になった時用に備えて買っておいてはどうだろうか(コロナも未だに流行ってるし……)。
少し値段が高いのがネックだが、値段を出すだけの価値はある商品だと思う。ちなみに私のおすすめはブルーベリーヨーグルト味です。

*1:大○はドラッグの中でも鎮静効果の高い薬物で、反対にLS○は興奮効果の高い薬物だから