2021上半期よかったコンテンツ

・大豆田とわ子と三人の元夫

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以前野木亜紀子がインタビューで完成度の高いドラマを正円に例えて話していたけど、このドラマは正しく完璧な正円のドラマだなという印象を持った。とにかくまず画面がオシャレで華やかで見るだけでウキウキしてくるし、日常シーンの軽妙なやりとりの一枚下に存在する社会の不条理と生の苦しみと、それでも日々を前向きに暮らしていくとわ子達のほんのわずかな期間を切り取った話作りも好きだった。
漫画や小説の素晴らしい作品とは違って、集団制作のドラマは作品に関わる様々なセクションの人が同じビジョンを共有出来ていないとクオリティを担保できないので、まずそこがすごいなあという感想がどうしても最初に来てしまう。まあ各々が違う方向に全力を出した結果ウニみたいな形になってるドラマ(清盛とか)も好きだけどさ……。
劇伴もやたら力が入っており、サウンドトラックが各種配信サイトで配信されてるのでドラマに興味がない人も是非聞いてみてほしい。ドリームチームみたいな布陣の主題歌も勿論良かった。

 

ワンダーエッグ・プライオリティ

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野島伸司のセンセーショナルな脚本と若林信監督のキレッキレの画作りが融合した結果生まれたキメラみたいなアニメ。クオリティに拘りすぎた結果本放送を落としたけど、脚本が広がりすぎてこの前放送された特別編でも完全には物語が完結しなかったので無問題です。そんな訳あるか。
いくつか似た要素のあるフリップフラッパーズを見た時は「そんなに何でもかんでも説明しちゃうのか……」と思ったけど、このアニメに関しては「こんなに色んな要素をほったらかしたまま終わるのか……」と思ってしまうので人生はままならない。とはいえ主人公・大戸アイの物語としては本放送分で綺麗に完結していたという印象があるので、実際そこまで消化不良だとは思ってないです。
プロップデザインの井上晴日さんの仕事が素晴らしくて、毎週放送後にtwitterでラフデザインを見るのが楽しみだった。

 

・VIVA LA ROCK(5/3)
2年ぶりの現地参戦フェス。入場時のオペレーションが死ぬほど難しかったりとか飲食スペースが会社の休憩室のような殺風景さだったりとかCAVESTAGE入場規制かかりっぱなしとかはあったけど、やっぱりフェスに行くとハレの場だ!!とテンションが上がる。
大宮セブン含めどのアーティストも気合いが入っててよかったが、特にラストのレキシ→藤井風→オレンジレンジ三者三様の盛り上げっぷりがすごかった。その中でも藤井風は正直彼目当てで来てる人も多いんだろうな~と感じてしまうくらい観客の期待度が高まってることが発声を禁じられてる会場からも伝わってくるし、それに応えるかのようにフェスとは思えないほど独自の雰囲気をあっという間に作り上げる藤井風のパフォーマンスもすごかった。2019年のキングヌーの時も思ったけど、これからもビバラには「今音楽シーンで注目されてて1回はライブ見てみたいけど、単独ライブのチケット戦争が厳しすぎる系アーティスト」をガンガン呼んでいってほしい。

 

・あさがくる

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アフタヌーン四季賞大賞作品。
最近スタァライトやかげきしょうじょで盛り上がってる音楽学校ものだが、この漫画の主人公・吾妻朝顔音楽学校の生徒ではなく、音楽学校に合格できなかった元受験生なので前述の作品とは大分趣が異なる。彼女と宝塚志望者の中学生・くるみとの交流は当然ぎこちなく、胸がキリキリするようなシーンもあるが、あっさりした絵柄と細やかな仕草の描写などを見ているうちに不思議とするすると読み進められる。あと別作品の「しかのあし」でも思ったけど、この作者さんのバレエとか体操とかの体を使うシーンの描き方が好きです。
実は作者の人の作品を以前から読んでおり、この漫画を描き進めているのもTwitterで見ていたので受賞のニュースを見た時は本当に嬉しかった。

 

・メランコリック
別に今年発表の作品ではないけど見たのが今年だったので……。
フォロワーの人に誘われてAmazonプライムのウォッチパーティーで見たけどすごい面白かった。事前情報を殆ど入れずに見たので、終盤まで話がどう転がるか全くわからずにハラハラしながら見ることが出来てよかった。ただAmazonプライムのジャンル:コメディは完全に詐欺の部類だと思う。
Twitterにも同じことは書いたけど、真っ当な社会から外れた青年二人の物語ではあるけど真っ当に生きてるはずの主人公の彼女すら光熱費をまともに払えないくらいの生活を強いられてるという苦しみがあって、だからこそあのラストシーンが本当にいいものなんだけど、とはいえ殺人の不可逆性を散々本編で見せられた後に主人公が人を二人殺しているのであのラストシーンの5分後に全員逮捕されてたとしても全く違和感はない。
イグナッツでR-指定がこれを胸キュン映画として紹介していたけどどこに胸キュンすればいいんだ。松本が和彦の実家で銃創の消毒受けるシーンかな?

 

・その他、よかったやつ

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動画タイトルこそ考察となっているけどロジカルに出場者のネタのどこがすごいのか、どうすればより笑いが獲れる可能性があったのかというのを分析していてすごい。
動画編集もしているんだろうけど、説明がとにかく分かりやすいし淀みがないなあ~と思ってたら漫才大会の審査員とかしてるんですね。

 

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ゼロ年代感溢れる音と昨今のミームをバリバリに取り入れた歌詞のギャップ。ゲームの主題歌なのだが肝心のゲームが発売延期を繰り返しまくってるのも含めてあの頃っぽさがある。MVを見るとちゃんとアスペクト比率が4:3になっててすごい、というかこのMVで初めてそこをいじれるのを知った。

 

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未だになんで突然この人がマヂラブのイメソン(イメソンではない)を作ったのか全然分かってないんだけど、「若者に人気の作曲家が突然存命お笑い芸人のイメソンを作る」という怪現象込みで好きな曲。

 

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原作がすごい好きだったのでアニメがどうなるか不安だったけどこのOPを見た時点でもう大丈夫だな!!と思えた。本編はエドワードが突然3Dになったりエンディングをジャックしたり、アニオリパートではケイト様の声真似をしたりチョンボかましてライアンに髪をひっつかまれたりととにかくエドワードがやりたい放題していた印象が強い。勿論本筋もアニオリパート含めてケイト様とエミリコの関係性に重点を置いた話作りになっていながらも、最近の本編ともリンクするような要素を先出ししていたりといいアニメ化だった。
一言しか台詞のなかったオリバー役の榎木さんの演技がすごく良かったので、早く2期でスナック感覚でボロボロ情報漏洩するシーンをやってほしい。

 

後はシンエヴァ(これは前に感想書いた)とかスタァライトの映画とか日比谷野音のcnann0のライブとかマヂカルクリエイターズの漫才のようなもの選手権とかもよかったです。
こうやって下半期も見境なく色んなジャンルのコンテンツを見聞きした結果、絶妙にどの辺りの人とも話の合わないコウモリ野郎として寂しく生きていく所存です。嘘です一部でも知ってるやつがあったら是非Twitterとかで話しかけてください。